(一般財団法人)田中正造記念協会
令和7年度事業報告書
当法人は、設立当初、定款第4条に定めるすべての事業を行っていたが、最近は不本意ながら、当法人の財政的基盤の脆弱さ及び人材(研究者)不足のために、形式的には定款第4条に定める事業の一部しか行うことができなかった。しかし、当法人は将来に向かって財政的基盤を堅実なものとし、また広く人材(研究者)を集めることによって、設立当初に行っていた事業の大部分を行いたいと考えている。そこで当法人は、その準備として、「故田中正造翁の法要及び講演事業」と「故田中正造翁にゆかりのある地における祭祀の助成事業」を行っている。このような趣旨・目的で令和7年度は次の事業を行った。
一、故田中正造翁の法要及び講演事業
1,趣旨
当法人は故田中正造翁の業績に関する調査研究を行い、その民主主義思想の普及を図るとともに、これにあわせて遺跡故事を記念保存し、もって民主主義の向上発展に努め平和国家建設に寄与することを目的とする。この目的を達成するための最も有効な手段として、故田中正造翁の法要及び講演事業と故田中正造翁にゆかりの地における祭祀の助成事業を行ってきたのである。すなわち2007年11月に、公共哲学会で『田中正造と公共人間』と題して本格的かつ徹底的な討論がなされ、その結果をまとめた書物(公共する人間4 田中正造、約500頁の書物)が2011年に東京大学出版会から発刊されている。その中の最初の論文のテーマは、『今、なぜ田中正造か』というものであった。これは故田中正造翁に関する従来の研究とは多少異なった観点からアプローチしたものであり、きわめて貴重な文献である。また福島原発事故を契機にして、『真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし』とする故田中正造翁の文明批判の思想が【学問的に再び見直されている】のである。
さらに以上のように学問的とは言えないが、一般大衆向けのものとして平成26年1月18日から【足尾から来た女】という土曜ドラマ(大作)が前編・後編の2回に分けて放映された。これは谷中村出身の『新田サチ』を主人公とするドラマであり、故田中正造翁が衆議院議員を辞職した後、鉱毒被害者の救済のために谷中村に入村し、村民と寝食を共にしながら政府と戦う姿を見事にあらわしており、このドラマの中では、故田中正造翁と関係する多くの人物が実名で登場している。特に故田中正造翁に関する今までのどの映画よりも、明確にあらわしているのではないかと思われる。
また天皇皇后両陛下(現上皇上皇后両陛下)が、平成26年5月21日から22日までの私的な旅行(行幸啓)で、栃木市の渡良瀬遊水地から佐野市郷土博物館、日光市の足尾環境学習センターを訪問された。故田中正造翁に関する資料を集めた展示室がある佐野市郷土博物館は初日に御見学され、故田中正造翁の直訴状を一言一句丁寧にお読みになられた。令和4年10月3日には「いちご一会とちぎ国体」と地方事情視察のため来県された高円宮妃久子さまが佐野市郷土博物館を視察され、故田中正造翁の関連資料を熱心にご覧になられた。
このように、福島原発事故を契機にして、一部の研究者だけではなく多くの人々によって、故田中正造翁に関する多角的な研究、関心が再燃しているのである。そこで当法人としては、充実した故田中正造翁の法要及び講演事業と故田中正造翁ゆかりの地における祭祀の助成事業を行い、今後は多くの人材(研究者)の協力を得ることによって、当法人の目的を実現しようとするものである。
このような意味において、充実した法要及び講演事業と故田中正造翁ゆかりの地における祭祀の助成事業を実施することは、間接的には当法人の定款の第4条各号に該当する他の事業を実施することにもなっているので、この法要及び講演事業と故田中正造翁ゆかりの地における祭祀の助成事業の充実化を図ろうとしたものである。
2.内容
(一)法要の日時・場所→令和7年9月4日春日岡山惣宗寺本堂及び惣宗寺内の墓前
(二)法要及び講和次第
| ① 10 時受付開始 |
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| ② 当法人 津久居典彦評議員の司会進行により開始 蓼沼恒夫評議員による開式の辞(11時) |
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| ③ 読経→当法人理事中に僧侶がいるので、その他の僧侶を加えた6名の僧侶による読経を30分行った。 |
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| ④ 当法人 金子裕理事長の挨拶(約5分) |
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| ⑤ 講話→佐野市郷土博物館元館長でもある阿蘇史談会 茂木克美氏により、「春日岡山惣宗寺と田中正造」というテーマで約30分の講演を実施した。本法人は法要事業の内容としてこの講話を重視しており、講話の内容を充実することによって、参列者の方々に故田中正造翁の偉大さ・偉業をご理解いただき、当法人の今後の事業への協力をお願いするものである。 |
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| ⑥ 参加者全員が春日岡山惣宗寺本堂で焼香を行った。 |
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| ⑦ 当法人 赤坂理事による閉会の辞(12時)→春日岡山惣宗寺内での墓参り→6名の僧侶による読経の中、出席者全員が墓参りを行った。 |
3.法要及び講演の参加者
春日岡山惣宗寺内の主たる掲示板に法要の内容を掲示するとともに、春日岡山惣宗寺のホームページ等によって広く法要及び講演の内容を公告し、さらに当法人の理事・監事・評議員はもちろん、多くの教育関係者(故田中正造翁の偉大さ・偉業に関心を抱き、その研究をしている方々が多い)・政治家(県会議員・市会議員)、その他の研究者・関係者にも個々的に案内書(約30通)を発送したので、これらの方々ほか一般市民を含む『約120名の不特定かつ多数の方々』が参加した。
4.実績等
近年の新型コロナ感染症の感染拡大時には、参加者を制限し集合しての法要は実施せず、焼香のみとするなど規模を縮小して開催していたが、田中正造翁逝去以来、法要については連続して113回実施してきたものである。
13年前には『田中正造没後100年記念事業を進める会』が佐野の有志により結成され、その記念事業も実施された。新型コロナ感染症が5類に移行した令和5年度より例年通り集合しての開催とし、令和7年度についても故田中正造翁の第113回忌法要を例年通り開催した。
この中で佐野市郷土博物館元館長である阿蘇史談会 茂木克美氏による講話を実施した。
また6名の僧侶による読経及び参加者による焼香などを実施した。
5.財源
本来、大規模な方法を営むことになると多くの費用が掛かるものである。しかしながら会場である春日岡山惣宗寺本堂は無償で提供されており、6名の僧侶も無償で読経をしているため費用も少額で済んでいる。
当日出席した当法人の理事・監事・評議員の会員会費、それ以外の方々から1人1,000円の維持会員会費を徴収および春日岡山惣宗寺からの寄付金によって法要及び講演事業を実施した。(なお、法要及び講演の参加者には、1人800円相当の弁当及びお茶を提供した。)
二、故田中正造翁ゆかりの地における祭祀の助成事業
1.趣旨
これは法要及び講演事業の趣旨と同様である
2.内容
故田中正造翁の遺骨は数箇所に分骨埋葬されているので、その祭祀には当法人の役員を参列させるとともに、当法人よりその経費の一部(各箇所につき1万円)を助成するもの。
3.実績等
今までも毎年4ヶ所からその趣旨の祭祀を行う旨の連絡を受け、その経費の一部を助成してきたが、令和7年度についても助成事業を4件実施した。
三、理事会・評議員会・助成祭祀選定委員会の開催
当法人は、平成24年4月1日に一般財団法人田中正造記念協会に移行したので、一般法人法の要求のため理事会3回、評議員会2回、助成祭祀選定委員会1回を開催した。
| 実施
年月日 |
参加者 | 議事概要 | |
| 第1回理事会 (決算承認) |
令和7年5月7日 | 理事8名
監事1名 |
議事
第1号議案 令和6年度事業報告及び令和6年度決算報告の承認について 第2号議案 令和7年度収支予算の承認について 第3号議案 令和6年度公益目的支出計画実施報告の承認について 第4号議案 令和7年度定時評議員会召集の決定について |
| 定時評議員会 | 令和7年5月28日 | 評議員12名
理事2名 監事1名 |
議事
第1号議案 令和6年度事業報告及び令和6年度決算報告の承認について 第2号議案 令和7年度事業計画及び令和7年度収支予算の承認について 第3号議案 令和6年度公益目的支出計画実施報告の承認について 第4号議案 理事の任期満了に伴う改選について 第5号議案 新監事の承認について 第6号議案 評議員会議事録に関する議事録署名人選任について |
| 第2回理事会 (書面決議) |
令和7年5月28日 | 理事8名
監事2名 |
議事
代表理事2名の選定について |
| 第3回理事会 | 令和8年3月5日 | 理事7名
監事2名 |
議事
第1号議案 助成祭祀選定委員会の選任について 第2号議案 理事会議事録に関する議事録署名人について 第3号議案 令和7年度臨時評議員会の召集の決定について 報告事項 代表理事の理事会に対する職務の執行の状況の報告 |
| 臨時評議員会 | 令和8年3月5日 | 評議員9名
理事7名 監事2名 |
議事
第1号議案 助成祭祀選定委員会委員の選任について 第2号議案 臨時評議員会議事録に関する議事録署名人選任について |
| 助成祭祀選定委員会 | 令和8年3月5日 | 助成祭祀選定委員7名 | 議事
第1号議案 淨蓮寺等において、(一財)小中農協倶楽部が主催する祭祀を助成の対象となる祭祀と選定することについて 第2号議案 群馬県館林市下早川田雲竜寺において、田中正造奉賛会が主催する祭祀を助成の対象となる祭祀選定することについて 第3号議案 栃木市藤岡町藤岡堤外田中霊祠において、田中霊祠が主催する祭祀を助成の対象となる祭祀と選定することについて 第4号議案 川北辺霊場において、田中正造翁北川辺顕彰会が主催する祭祀を助成の対象となる祭祀と選定することについて |
令和8年5月13日
一般財団法人田中正造記念協会
代表理事・理事長 金子 裕

(一財)田中正造記念協会評議員名簿
令和4 年4 月1 日現在
| No | 役職 | 氏名 | 備考 |
| 1 | 評議員 | 野口正春 | |
| 2 | 評議員 | 大島治 | |
| 3 | 評議員 | 小玉新 | |
| 4 | 評議員 | 津久居典彦 | |
| 5 | 評議員 | 蓼沼恒男 | |
| 6 | 評議員 | 田中金久 | |
| 7 | 評議員 | 田名網光一 | |
| 8 | 評議員 | 山田智彦 | |
| 9 | 評議員 | 阿部二夫 | |
| 10 | 評議員 | 髙橋一夫 | |
| 11 | 評議員 | 関根修平 | |
| 12 | 評議員 | 篠﨑常吉 |
(一財)田中正造記念協会役員名簿
令和4 年4 月1 日現在
| No | 役職氏名備考 | ||
| 1 | 理事長 | 金子裕 | 代表理事 |
| 2 | 常務理事 | 旭岡靖人 | 代表理事 |
| 3 | 理事 | 島田嘉内 | |
| 4 | 理事 | 伊東俊道 | |
| 5 | 理事 | 倉上皖教 | |
| 6 | 理事 | 赤坂敏雄 | |
| 7 | 理事 | 嶋田稔 | |
| 8 | 理事 | 君田國雄 | |
| 9 監事 | 茂木弘司 | ||
| 10 | 監事 | 小林久夫 | |
| 11 | 顧問 | 岡部正英 |